家で歌う #1
今日は来てくれてありがとう。いや、今日も来てくれてありがとう。今夜は3曲お送りします。
君が書いてくれた歌詞に僕がメロディーをつけて歌う、そんな事をついにこの場ですることになるなんて。家でボリュームを気にしつつ歌ってみたよ。ただ花粉症なのか鼻がグズグズで声も少しかすれちゃったんだけど、一旦勢いで歌ってみたよ。
君の前で歌う方が程良い緊張感があって、僕はやっぱり人が見ているから高い所から川に飛び込めるタイプなんだと再確認したよ。あかんあかん、どこか気恥ずかしくて話を逸らしてたよ。さっそく曲紹介していきます。
こんな状況だからこそ、前回の発表の場ではしなかった君の歌詞についての見解みたいなものと、そのメロディーに至った経緯なんかも書きながら進めていくので、フライングして聞かないように! 少し長くなってるから、早く聴かせろよ!みたいな気持ちになるかもだけど、気長に付き合ってよ。ちなみに曲順は今回も君が歌詞を送ってくれた順でいきます。
まず1曲目は「大人になるのに」。
これは前回にふたりで話した内容が歌詞になってる感じかな。まだまだ詞を書くのは始まりの君かも知れないけど、少なくとも僕は約20年ほど君といるわけで、この詩を見て、君がたまに使う『もしも』ってワードを思い出したよね。今じゃない何かを想像するっていうかね。もともとあった考えが詩に滲み出るってあるんだろうねきっと。
そんな詩の中で『想像していたこっち側、まだ何者にもなれなくて』って所が特に僕は好きだったよ。何者かになりたいのに、自分が思ってる何者かになれてないからかな。その何者ってのも何なのかはわからないんだけど、そこに大人というワードと模索している反比例があっていいなと思ったよ。(この僕の詩への解説いる?)
それでメロディーについて。ちなみに僕が曲を作る時、基本的にはメジャーコード(明るい)かマイナーコード(暗い)で、どっちにしようかなーなんて考えるんだけど、今回の詩を眺めながら思ったのはちょうど中間かなってことだね(いや、どういうことやねん)。なんて言うか、模索だよね。でも、どこか前向きになって、でもまだまだ模索はつづくっていうかね。まぁそんな感じ(?)。
お後は悪いですが、それでは聴いてください。再生しながら歌詞を見てね。
『大人になるのに』
大人になるのに子供だな タイムマシーンで出かけたいな
さよならをしたあの季節へ たまには会いに行きたいや
想像していたあっち側 やけに眩しく見えたけど
三日月浮かぶこの空を どこかで君も見てるかな
二度と行けないあの場所に もっかい行ってなにしよう
大人になるのに子供だな 思った通りにはならないな
背伸びをしてやってきたけど やっぱりうまくはいかないや
想像していたこっち側 まだ何者にもなれなくて
そっちの世界の調子はどうだい? 素敵な人に会えたのかい?
そっちの世界の調子はどうだい? 思った通りの今なのかい?
一緒に過ごしたあの瞬間(じかん) 今から戻ってなに話そう
零からもいちど積み上げて 有り得た世界も見ていこう
でも 分かっているよ平行線 交じることない2本の線
大人になるのに子供だな 思った通りにはならないな
そっちの世界の調子はどうだい? 今から戻ってなに話そう
どうも、ありがとうございました。くしゃみと鼻水が止まんなくて苦しそうでごめんね。この反応なく上げていく感じ。君は歌詞をこんな風に上げてくれてたんだね。ありがとう。聴いた後は速攻次の曲いきます。
続いて2曲目は『おさらば』。
やはり世界との断絶、消えて欲しい存在、そんなものを感じます。そして何よりむずかしい漢字。何となくお経のような怖そうな漢字が並ぶ世界。
ただ、その怖いだけでは終わらせないのが君の潜在能力。語呂の良さが光ってるんだよね。そんな語呂の良さを引き出すメロディーとは何だろうかと考えました。すると降りてきた自分の中でのエミネム。言語は違えども、あんな風にコードは同じでも乗せるメロディーを変えていくことで変化させる韻世界。そんなものを君臨させるべく、自粛ムードの中、フード被って街を闊歩してみました。ムードにフード被せときました。フーーーー!!!
とか後付けて言うのは簡単で、勢いで作りました。その面どうぞ見せないでって凄いよね。病んでるの?(いじりじゃないよ、良い意味でね)とりあえず、こんなむずかしい歌詞書けるの凄いなって、シンプルに思ったよ。
『おさらば』
異なる価値観 断絶世界 こんなとこにも落とし穴
膨らむ欲望 魑魅魍魎 恐れを知らない下心
空想妄想 世迷言 酩酊頭蓋に染みる嘘
狂った自分を押し殺し 満員電車に飲まれてく
あいつもこいつもきっとそう 小さな奈落を抱えてて
ただ誰にも悟らせぬよう 人波から遠ざかってく
さらば おさらば オシャレにさらば ツートンカラーの丸メガネ
さらば おさらば オシャマにさらば 計画された逃避行
さらば おさらば はい、おしまい その面どうぞ見せないで
道理不合理 壊滅倫理 背徳感に酔う良心
煽動羨望 とおせんぼう 掻き立てられた執着心
本心隠蔽 スクラッチ 鏡にのぞいた嫉妬狂
狂った自分を押し殺し 満員電車に飲まれてく
あいつもこいつもきっとそう 小さな奈落を抱えてて
ただ誰にも悟らせぬよう 人波から遠ざかってく
さらば おさらば オシャレにさらば サイドミラーと七分袖
さらば おさらば オシャマにさらば 採掘現場のコハクチョウ
さらば おさらば はい、おしまい お願いどうかどこかに消えて
どうも、ありがとうございましたー。長くなって参りました。それでは最後の曲にいきましょう。
3曲目はこの曲『ことば』です。
この歌詞は、この前にチラッと見せてもらってて、そうか君はこんな感じの歌詞を書きたいんだな、と思ってたやつです。まず、それをきちんと形にした事を褒めてつかわそう。
もはや君の特徴にもなってきたサビ?的な部分で、ワードを繰り返すやつ。今回もそれがあって少し頭を悩ませましたが、きちんと歌詞と向き合ってみると、そこに至るアプローチがこれまでとは少し違って、相手を感じるんだよね。それこそ言葉にはしてなくても、誰かを思うからこその感情がそこにはある。そうか、言葉って誰かがいないと意味をなさないものなんだな、と改めて思った良い歌詞でした。(なんか大人になるのにあたりの見解とはテンション変わってきてるけど許してね)
だからこそメロディーは、まさに語ってるような、言葉ってるような感じにしたいなと思ってつけてみました。もっと上手くなる必要あり〼が。少し長い曲になりましたが最後の曲です。聴いてください。
『ことば』
世界は言葉で溢れすぎている
君へ伝えたい思いもありきたりな2文字ばかりですんじゃうし
月が奇麗だねとかいってみても奇を衒ってるだけだしね
困ったもんだ
でも伝えずにはいれないときたもんだ
僕には才能がなさすぎる さぁどうやって紡ごうか
ことば ことのは たゆたう ゆらゆら 重さがないのに傷つけたり
ことのは ことのね ひらひら ひらり かたちじゃないのに大事にしたり
世界は言葉で溢れすぎている
なのにこの気持ちを表す言葉がどこにも見あたらなくって
夜中にどんなに考えてもぴったりくるのは出てこないしね
なんてこった
でも伝えずにはいれないときたもんだ
分ってもらえないだろうけど さぁどうやって紡ごうか
ことば ことのは たゆたう ゆらゆら 頭の海にプカプカ浮かんで
ことのは ことのね ひらひら ひらり 束の間浮かんで沈んでったり
伝えきれずに立ち尽くした日も 分かり合えた喜びに胸が高鳴る日も
唯一無二のその音色 君しかもってないもので
ことば ことのは たゆたう ゆらゆら 見えるはずなんてないのに
ことのは ことのね ひらひら ひらり 眩しかったり真っ暗だったり
ことば ことのは たゆたう ゆらゆら 僕の隣で君が眠るように
ことのは ことのね ひらひら ひらり 体温みたいに優しかったり
どうもありがとうございましたー。家で歌ってるから少し微妙な部分あったかもだけど、ごめんね。ご試聴ありがとう。大変な世の中になってるけど、これからのためにもしっかりと自粛して、次回元気に会える時までお互い頑張ろう!