判決
ドンドンッ!判決・・・無罪!!
被告人を無罪とし、原告を有罪、死刑と処す!
さすがに死刑は可哀想だからね。今回はランドスケープ罪とでも名付けようか。僕は細かいからね。そんな僕に罪を着せようとした罪は重いけどね。
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もちろん覚えてるよ。会場は神戸じゃなくて大阪だけど。友達数人じゃなくて僕と君を含めてあと一人だけど。いや決して責めたいわけじゃなくてね、あの時も一緒に来てくれてありがとうね。君がいることで車内が楽しくなったことを覚えてるよ。君がチャニーズ事務所の社長、チャニーさんっていう設定が生まれた日だよね。あれは冬だったね。まだ全員が揃ってた頃のボノボスだね。まず最初に言っておきたいのが、服そのものが悪いわけじゃないんだよ。その日はね、前述通り冬だったんだよ。道中それはそれは車内は大盛り上がりだったよね、君のチャニーズトークで。もちろん僕は運転席で君は助手席。この構図は変わらない。青春そのもの。ちなみに後ろには僕の友人(そうでもないけど)。
あの頃を思い出してほしいんだけど、車内が盛り上がる、するとどうなる?なぜか助手席の方の窓だけ曇り始めるんだよね。冬は特にね。すると君はどうする?一番上の服を脱ぎ始める。おそらく脱いだそれこそが一張羅だよね。正直、その一張羅の存在を僕は覚えてない。それがある意味この件の答えでもあるんだけど、まあ盛り上がったまま助手席の窓だけ曇ったまま大阪に着くわけだ。そして駐車場に停めて、ある相談が行われる。服はどうする?的なね。厚着で行ったら暑いかもしれない、でも今日ははしゃぐ感じでもないから寒いかも知れない。相談の結果、ジャンパーはいらないからその中だけで行こうかという話になったんだよ。その時、君は言ったんだよ「僕はこのまま行くわ」って。僕は何も思わないよね。運転席で服を脱いでるからね。それでそれぞれ服を脱いで外にでる。車の鍵をかけてふっと君の方を見たんだよ。するとね、大阪の街に、あの頃の最先端でもある堀江の街に僕の親友の顔をしたオバハンが立ってたんだよ。ホラーだよね。
今思うとね、服を脱いでちょうどいい具合にした結果、ヒートテック的なものになったんだろうと思うんだよ。それであの頃の君はまだ働いてなかったから体もタルタルでね。それが相まって、オバハンに見えたんだろうね。いやオバハンそのものだったもんね。夕暮れをバックにエンジ色のヒートテックみたいなやつを着た僕の親友の顔をしたオバハン。あの情景はまだ忘れられないね。ちなみに僕は、あの日からエンジ色を君色って呼んでるよ。
2
ラストランだね。あの日もありがとう。正直、闇を抱えてた頃は君にしかそっちの話はできなくてね。闇を抱えるきっかけにもなったのが仕事だったからね、それを必死に頑張ることでしか生きていけないというか、想像してた未来のものが全部なくなって、仕事以外が自分のものじゃない気がしてたんだよね。そんな時に君が優しく話を聞いてくれてね、今でも感謝してるよ。ありがとう。色々と話を聞いてもらってスッキリした気持ちで入ったよね、あの汚い温泉。由緒とか風情とか色々な言葉つけるのは勝手だけど、僕はあんな温泉よりもっと綺麗な最新鋭の温泉がいいね。そうやってせっかく来たわけだからね、街を歩こうって話になったんだよね。あの頃はお互い仕事もしてて、僕は大阪に住んでたからあまり頻繁には会えなくてね。だからあんな風に歩くのは久々だったんだよね。風呂上がりで暑いから、ラムネなんか飲んだりしてね。最初はお風呂上がりだから半袖だったけど歩いてると涼しくなってきて、上に羽織ったりしてね。いい季節だなとか思ったよね。街は祭りかなんかで、割と賑やかでね。イカツイおっさんとかも居たりして、知らない街の祭りって怖いなーとか思った記憶があるよね。でね、色んなおっさんを眺めながら隣を見ると全身ジャージのおっさんが居たんだよね。僕は最初に思ったよ、あれこの街の人かな?って。でもね顔は僕の大親友なんだよね、唯一無二の。でも、身に纏ってるのは周りにいるおっさんと同じ全身ジャージ。僕は祭りに参加したことないからわからないだけで、祭り=ジャージ?みたいに頭グルグル回ってたんだよね。でも例えそうだとしても、僕の親友はこの街の人間じゃない。だからこそ出た言葉だったんだろうね。こっちの弁明はむずかしいね。ズボンだけじゃなくて全身だったからだろうね。全身ジャージでイタリアン食べてたからね。面白くない?観光行って、もちろん車中泊だから動きやすいっていうのは鉄則だけど、動きやすすぎね?みたいなね。ごめんね。高いの捨てさせちゃって。また買いに行こうね。今度は僕も買うから。
つまり君の服がダサいとかじゃなくて、景色と相まって面白かったって話なんだよね。つまり景観を汚してるっていうか、京都だと捕まってるよね。ランドスケープ罪だよね。嘘だよごめんね。君をただただ笑わせたいだけなんだよ。君が笑うからそんなこと言っちゃうんだろうね。君が笑うなら眉毛全部剃るくらいいけるもんね。
いや言いたいのはね、昨日は早速ありがとうってことだよね。僕が言ったもののこっちも一週間空いちゃって、このまま週一ペースになると楽しみ減っちゃうなと思ってた時に開くと書いてあって「好き!」って思ったよね。こういうところがいいんだよね。言葉にうまくできないけど。DogPepperもちろん覚えてるよ。僕もたまに聞いて懐かしい気持ちになってるよ。読んで思ったけど、君は子どもたちに色々提供できるんだよね。ボノボスとかDogPepperとかなんでもいいけど、そういう音楽を聴いたりしてる子どもは、これからどんなものを好きになるんだろうね。僕のお父さんが車内で流してたのなんてオカリナの喜多郎だったもんね。なんか子どもたちに君の好きなものをどんどん与えてあげて欲しいなと思ったよ。
今回の判決の頃みたいに、まとまってない君も面白かったけど、最近の君、とても自分に似合う服を着てて素敵だよ。自分の好きは人からは素敵に見えるんだろうね、あの日の三本ラインのように。