床穴式
この前は電話で話を聞いてくれてありがとう。なんか悶々とするなぁ、股間でも出してコンビニでも行こうかなってタイミングで君からのLINE。ドルチェアンドガッバーナの匂いがした気がして、君に電話してたよ。君にしか言えない話とか感情とかが、懐かしい風景の頃から積もってる感じがするよ。
君に、最近の僕は真っ当だと言われてとても嬉しかったよ。決められたことをしなさいって言われてた頃は本当にできなかったんだよ。これといった理由はなく、単純にできない。気持ちが乗らないとか、したくないとかあったんだとは思うんだけど、しないといけないのにできない。しないとだめだってわかってるんだけど、何故かできなかったんだよね。
まだある程度だけど、ある程度は自分で何をするか決めていい今は、とても生きやすくなったんだよね。その程度をどんどん広げていくことができれば、もっと真っ当になれる気がしててね。少し先だけど、どこから見ても真っ当になれるように会社を作ろうと決心したよ、ありがとう。
懐かしい景色をくれてありがとう。
もう一個の方、頭では覚えてるのにGoogleではたどり着けなかったんだよ。
↑こっちね。
一個目のこの場所、最初は君が一人で立ち寄ってた場所なんだよ。たしかに当時と全然違うよね。車の停め方が90度違うもんね。会社変わったのかな。
当時はたしか僕が部活辞めたてで、君は少し前に辞めてて、だからこそ一緒に帰れたんだけど、君が電車に乗るまでに吸ってた場所を紹介してくれたんだよね。そこでちょっと吸って帰ってたのが、いつからか話するようになって、最終的には話をするために立ち寄ってたんだよね。あの頃から話好きだね。
それをこの駐車場じゃなくて、壁に向かって淡々と話をするようになってたら夢の舞台に立ってたのかも知れないね。時には喧嘩をしたりしてね。どんどん、お互い飲みにいく相手も変わって、プライベートでは連絡も取らないようになってね。
最初は、仕事場で会った時も楽しく話をしてたはずなのに、仕事場でもどんどん話をしなくなるんだよね。そのうち、マネージャーを介してしか意見交換もしなくなってね。そんなことをしてると、それぞれ個人の仕事が増えてくるんだよね。
で、コンビの意味ってあんのかなーとか、後輩に愚痴りだしてね。いや、自分らの憧れなんすよ。コンビは続けてくださいよーとかって言われてその言葉に変に酔ったりしてね。でも、そうやんな。おれらコンビでやってきて、今があるんやもんな。って妙に愛おしく感じて、次の現場では久々に少し話してみるか。なんて思って次の現場行って顔みると、そんな事も言い出せない雰囲気が自分たちの間にはもうあるんだよね。
妙に悲しくなってね。ほんまに無理かもって思うんだよ。こんなことなら、あのタバコ吸いよった場所で終わっとけばよかったんかなとか思うんだよ。あの頃、二人で話しよった時は楽しかったなぁって。
今は目の前でたくさんの人が笑ってくれとるけど、肝心の俺ら二人が笑ってないもんなぁって。あー、こんな話もあいつとしたいなぁ、あいつこれを聞いたらなんて言うかな。今更無理やって言うかな、それとも今からもう一回笑っていこうやって言うてくれるかな。あー、あいつと話したいな。
あれ、あんな所で遊んだら危ないやんあの子。トラックきよること見えてないんちゃうん。え?親は?あかんて、危ない。ちょっと!
あかんあかん、気づいたら人生一回終わってまう所やった。夢か。あ、夢のまた夢か。
ちなみにここは君が自動販売機でキャメルを買った時にたまたま見つけた場所だよね。ベンチあっていいやんってここにも来てたね。君って謎に落ち着けるような場所を探すの得意だね。近くの公園とかね。
また君とどこかの公園で話をしたいなと思った土曜の昼前。梅雨明けまでもう少しだね。
追伸
君のとこの男の子、可愛いね。本能がそうさせるのかな。クリスマスプレゼントは、とっておきのTENGAをあげたくなるね。お父さんは床式だったけど、息子は穴式になるのかな。それとも床に穴を置くっていう、アクロバティックマスタベーションの申し子にでもなるのかな。
いや、床に穴を開けて、這いつくばりながら人が移動するシステムやな。二つのボールが床を移動する大人の嗜み。そこには穴がある。まさにゴルフ。キャディーなんていらない、いるのはキャンディーとホールだけ。穴に入るのはボールじゃないよ、棒だよなんて言いながらファー!ファー!って聞こえるんだろうね。
ゴルフのマスターズって言うのはそう言う意味だったんだね。マスタベーションを極めた者たちの集まり。君の息子がマスターズに挑戦する時は僕も応援にかけつけるよ。その時は一緒に逝こうね。そう考えると、やっぱりバンカーだけは避けたいよね。なんか痛そうだもんね。